欧米社会とは異なり、日本では労働人口の流動性が低く最初に就職した会社に一生勤め続けることが当たり前とされてきました。しかし、それもバブル景気の崩壊による年功序列と終身雇用の崩壊で変化しつつあります。
リストラや勤め先の倒産などやむをえない事情による場合だけではなく、積極的に転職する人が増えています。更にインターネットの普及や企業の業務のアウトソーシング化が進む中、より自由で柔軟な働き方を選ぶことが可能になり職種によってはフリーランスが活躍する場も広がっています。もっとも会社勤めとフリーランスとでは、立場や責任が異なり、それ故にいずれにおいて、メリットとデメリットがあることも事実なのです。
そこで会社勤めと比較した場合のフリーランスのメリットを挙げるとすれば、条件つきではあるものの平均的には会社勤めよりも高収入である点です。
会社勤めという立場ではどれだけ頑張って自分一人だけ実績を上げたとしても、会社として利益が生じなければ意味がありません。連日連夜必死に働いてもあらかじめ給与体系や人事考課が定められているために、そのすべてが給与に反映されるわけではなく、また残業をしても正当な残業代が支払われない場合もあります。
その点フリーランスはクライアントとの間において仕事の完成と対価としての報酬の支払を約束するだけであり、実力を高く評価されればそれだけ収入が上がります。その際掛かった時間は問題ではなく、高単価の案件を獲得すれば収入も安定します。また会社勤めであれば会社の意向に従って担当する業務に専念するだけですが、フリーランスは仕事を選ぶことができます。
その裏返しとして、フリーランスには会社勤めで保障されるような身分の安定はありません。仕事をした分だけ報酬が手に入るという仕組みであるため、休みを採るのは自由であるものの休めばその分収入は無く従って有給休暇はありません。実際のところ1日24時間1年365日営業中というのも珍しくないのです。
また労働保険などの社会保険に加入せず原則として国民健康保険や国民年金に加入することになるため、病気や怪我をしても基本的には生活の保障がありませんし、将来の生活資金もある程度自分で準備する必要があります。更にその時々のトレンドや経済状況にも大きく左右されるため、仕事を継続的に受注できるという保証はなく従って収入は不安定です。
そして確定申告など、会社勤めであれば総務や経理が担当していたような業務も、自分がこなさなければならずその他こまごまとした雑務に煩わされるという面もあります。
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転職の成功には、自分自身を見つめることが必要です。これまで経験してきた職務や重ねてきた実績を、具体的に紙に書き出すことによって、キャリアの棚卸をしてみましょう。そして自分自身を客観的に知るためには、自己分析も大切です。感情に任せて自分を卑下したり持ち上げることのないよう冷静にこれまでの自分と今の自分、そしてこれからの自分というものを定期的に見つめ直しましょう。難しければ、転職サービスのキャリアカウンセリングなどを利用する手もあります。
会社勤めをして社会人生活にも慣れてくると、会社のために頑張れなかったり人間関係に嫌気が差すなど、職場環境への不満がいつしか転職のきっかけになるようです。しかし即戦力を求められるため、まずは社会人として3年以上の実務経験を積んでおかなければ転職は難しいでしょう。新卒時とは異なり中途採用の時期は企業によって様々ですが、3月末決算が多いことから下半期の10月を目指しつつ、7月か8月が狙い目かもしれません。
社会人としてのキャリアビジョンの実現には、幾通りも方法があるものです。今の職場ではどうしても不可能であれば、転職することです。ただし即戦力としての高い実力を求められるため、チャンスが訪れるまで下準備が必要かもしれません。もちろん今の職場で可能であれば、その具体的道筋を探しましょう。そしてキャリアビジョンの実現に向けて、どのような立場であれ学習することが大切です。更にフリーランスという選択肢もあります。